2006年4月

 仕事編
 生活編


 東京の桜は名古屋より早く3月中に見頃を迎えた。4月になって吹く風に耐えきれず散っていく桜の花びらのように自信がちぎれていく日もあった。グングンと勢いを増す葉の緑と同じように仕事への力強い手応えを感じる日もあった。まだまだまっすぐに前に進んではいない。なかなか順風満帆とはいかない。

 この4月から長男が社会人となる。父の祥月命日で名古屋に戻った帰りは、入社式に向けて上京する長男と一緒に新幹線に乗った。親としてはうれしい春となった。

 

◆仕事編

■4月3日

きのうの夕方の雷雨が嘘のようにスッキリと晴れあがった東京。富士山もくっきりとその姿を見せていた。6時に起きていつもより1時間早くうちを出る。花散らしの風が吹くという予報に見納めとけさも石神井川沿いを歩く。

 7時20分過ぎの地下鉄有楽町線。意外なことにいつもの8時台よりもかなり空いている。会社も誰もいない時間帯につけるので仕事が捗ることもありそうだから、この時間に出勤するのもいいかな・・・。でも、夜が遅くなるのは必至だから、とするとオーバーワークになりそうだから無理か。

 弊社は7月が新年度のスタートだけど、きょう4月3日は新卒の新入社員の入社式もあって「あたらしい空気」が流れている。キャリア入社組を含めると20%近くあたらしい人が加わったことになる。たかだか9ヶ月のわたしがもう結構古株っぽくなっていたりする。

 きょうも長い一日。小さいミスもあってちょっとへこみそうになるが、きょうはあっさりと立ち直る。とにかくいくつも走りはじめている案件にへたってなんていられない。

■4月4日

 あたたかく春本番を感じさせる一日。本日からJRの定期券は携帯電話! モバイルSuicaデビューだ。朝のラッシュ時に自動改札を閉じてしまうと大顰蹙なので結構びびる。地下鉄有楽町線池袋駅、出口のドア近くに立ってすばやく階段を上る。さぁ、いよいよ自動改札・・・。

 人の流れにのって携帯をかざす、「ピッ!」。なんかいままでのカードよりも音が大きいみたい。で、すんなり通過。全然心配したことはなかった。原宿駅で下車。こちらもドアの前に立ってすばやく下車。階段を先頭グループ(?)でのぼって改札へ。こちらもすんなり通過。さすがはJR東日本、機種の検証はキッチリできているのね。

 あしたは一日出張のため席を空けることになっている。なので、きょうはすませておかなくてはいけない仕事がいっぱい。プラス出張の準備もしなくてはいけないので、帰りは遅くなることは必至と22時に炊飯器のセットをしたけれど、会社を出たのは23時15分だった。これでも、あすの出張に持っていく資料は「娘」がつくってくれていた。この資料作成もやっていたら・・・。

 帰りのモバイルSuicaも快調。でも、これで携帯電話を忘れてうちを出ることも、落としたりなくしたりはできないということ。気をつけなくちゃね。まぁ、もっともこれまでも落としたこともなくしたこともないけれど。

 あしたはスーツ。でも雨らしい。

■4月5日

 日帰りで「名古屋」へ出張。もともと出張ということがほとんどない部署だし、その行き先が名古屋なんてことは極めて異例中の異例。上司の気遣いで仕事を終えたあと自宅に寄ることを認めてもらう。(先週末帰ったばかりだということはこの際問題じゃない)

 今回ははじめて弊社CEOと相手先に向かった。かつてのわたしの仕事に関わりのある相手先なので随行役として白羽の矢が立ったとは思うのだが、かばん持ち兼サポートとしてお役に立てただろうかということがちと心配。

 思いのほか早く用件が片づき、15時前には地元駅に着く。雨が降っていたので妻が車で迎えにきてくれた。今のところ「また帰ってきたの?」とは言われずにすんでいる。(はず)

 自宅でメールチェック。やっぱりいないときに限って急ぎの対応が必要なメールが入っている。幸い社のPCを開かないと対応できないような案件ではなかったので助かった。

■4月6日

 けさのめざましテレビの星占いは10位。「面倒な用事が重なる」「ひとつずつ片づけていこう」という内容だった。きのう出張で一日空けていたから、忙しくなることは覚悟していたが、ミーティングの時間は延びるし、来訪予定の某社の方が遅れたりと、微妙にスケジュールがずれていく。その合間にこなすはずだった資料づくりも遅れる。

 星占いどおりにひとつずつ黙々と片づけていくが、夜のとばりがおりた頃からわたしとしてはめずらしく頭痛が。目の奥もズ〜ンと重くなってくる。でも、とにかく一区切りまではと23時まで。気持ちがへこんだことでしおれたように退社したことはあったけれど、体調がすぐれず(というほど大げさなものではないが)くたくたという感じになってエレベーターのボタンを押したというのははじめてかもしれない。

 今夜は乗換がスムーズで、ドアトゥドアで50分で帰ってこられた。ふと気がつくと頭痛も目の奥の重さも気にならなくなっていた。誰も待ってはいないがそれでも「わが家」はいいってところなのかな。今夜は定番(?)のアジの開きと豆腐のお味噌汁。おなかがふくれたらいっそう気持ちが落ち着いてきた。でも、だからといって夜更かししていちゃいけないなぁと思いつつも・・・

■4月10日

 朝から曇り空、東向きの窓から光が注がないのでなんとなく気分も暗い。朝の山手線は、池袋の発車から遅れる。なんでも新宿駅の中央線で人身事故があったとかで、隣接する山手線も安全確認しながら運転しているのだという。駅間で止まることもいくどか、結局原宿駅までいつもなら13分のところが23分かかった。

 Flextimeのほぼ1時間前には会社に着くように出かけているから、このくらいの遅れはなんていうことはないけれど、なんとなく気分がよくない。お昼までは昨夜2時半までかかって集計したデータを基に数字とにらめっこ。ホントは得意じゃないんだけどなぁ・・・。

 本日はみごとに「板挟み」となる。おなじ会社の中でもチームの立場が違うと見方が正反対となることもある。その間をうまく泳ぎ切るというか、軋轢を生じさせないようにうまく流すというのが、中間管理職に課せられた役割なのだが、本日は2件もうまく流しきれずにぶつかった。へこむところまではいかなかったけれど、どうにも気分はよくない。というよりも、じぶんの力のなさが情けない。

■4月12日

 夕方までは順調に業務をこなしていたのだけど、19時すぎから2時間ほどかけて行った打ち合わせでど〜っと疲れた。進めている開発案件で細かいところを詰めようとしているのだけど、立場の違いがくっきり表れてなかなかもどかしい。これまでも何度も感じてきていることだけど、ついつい安直に考えがちのわたしたち発案者と、それをかたちあるものにする技術者との間には、スタンスの違いが明らかだ。

 あとあと齟齬を感じることのないようにと、技術系の人たちは「仕様書」などの書面をかならず必要とする。わたしたちは、そこのところはこうこうこういう感じとついつい口頭ベースで感覚的にモノを作ろうとする。ラフデザインでもいいからわかりやすく理解しやすいかたちでの提案をという要求は理解できるが、そこのところもうちょっと柔軟にって言いたくもなる。まぁ、もう慣れたから口には出さないけれど。

 わたし的には、リリースの期限が決まったら、そこに向けて何とか帳尻を合わせようとする。そのためには土日だってゴールデンウイークだって毎日出てもいいと思っている。だけど、それをさも当然のことと要求することはできない。なんとももどかしい。

 今夜は結局結論は出ずじまい。あしたまたつづきを行うのだが、なんとか少しでも早い時期にリリースをと思っているのだが、はたしてどこで折り合いがつけられるのだろうか。悩ましいところだ。

■4月13日

 きょうは誕生日。51歳の仕事ぶりは上長からすればいささか心許ないものかもしれない。今進めている案件では、二転三転した上に自主規制ともとれるような譲歩をしたりと、当初とスキームが変化したこともあって、正直、ファイルを繰れば繰るほどに頭の中が混乱してしまう。「そちらの資料は読まないほうがいいですよ」と言われてしまったが、それだけ、わたしの様子に不安を感じさせてしまったのかもしれない。

 会社的にはじゅうぶんといえないかもしれないけれど、わたしなりに結果は残しているつもりだけど、このまま全力で走っていけるかどうかはわからない。こんなときにはやっぱり年齢を感じてしまう。体力的にはだいじょうぶだけど、頭の回転は明らかに鈍ってきている。

■4月18日

 お昼過ぎ、某通信会社で発生していた不具合(実害はほとんどないことなのに)について、チーム唯一の男性Yくんが電話で一生懸命説明している。どうやら先方は立場を盾に嵩に懸かって彼に苦言を呈したようだ。そのあとを引き取る。こちらがその上司だとわかると少し態度が変わる。こういう輩は大嫌いだ。もっともこちらに非のある話なのでただただ詫びるのみ。電話口での平身低頭ならべつに卑屈になることもない。

 午後のチームミーティング。事情があってなかなか状況を開示できずにきた案件に不安の声があがる。たしかにわたしはチームマネジメント能力が拙いと思う。これは自営業が長かったからやむを得ないって開き直っていちゃいけないが・・・。なんども書いてきたことだけど「板挟み」という思いもあるが、それも理由にはできない。チームのメンバーの発言が胸に痛い。

 夜、某通信会社の不具合をめぐる案件は、経緯と今後の再発防止を明記した障害報告書を提出せよということで一件落着。そこまでしなくちゃいけないこと?という思いもあったが、ここで抗ってみてもしかたない。電話口で平身低頭(のふりを)してことを収める。そのあとも、ステージ環境にアップして動作確認してから本番リリースという、極々基本的なルールが某社に守られなかったり、クレジットカード決済に二重決済が発生していた可能性があることがわかったりと、浮き沈みの激しい一日だった。そのわりに今回は余裕があるというか落ちこむことがなかった。まぁ、それくらいの神経をしていないとやっていけないよね。

■4月19日

 きのうよりやや雲が多かったものの、気温は上がったようだ。山手線新宿駅。どっと人が降り、どっと人が乗ってくる。すぐ横に押し込まれてきたのはいかにも新入社員とおぼしき男の子ふたり。「この混みかたって慣れた?」って聴くひとりに、もうひとりが「代々木上原のほうがひどい」と小田急のラッシュのことを語っている。

 べつに聞き耳を立てていたわけではないが、「きょうは速効で帰るんだ」とか「面倒だから外食にしようかなぁ」などと話しているのが聞こえてくる。毎度毎度外食じゃ小遣いが足りなくなるぞぉ・・・って10ヶ月先輩のわたしとしては忠告したくなる気分。

 今、厚木で新人研修を受けている長男も早ければゴールデンウイーク明けには配属が決まる。彼も同期生とこんな会話を交わすのだろうか。何より料理をしたことがないということが心配だ。

 弊社の新入社員たちは今のところ毎日スーツで出勤してきている。こちらは長袖Tシャツにオーバーシャツなんていう思いっきりカジュアルな格好で出ているだけに、なんかかわいそうになってしまう。帰りの地下鉄では、そんな真新しいスーツに真新しいビジネスバッグをもった男の子が、手に地下鉄路線図を握りしめて座っていた。

 さて、わたしのほうは、きのう一件落着したはずの障害が、いったん振り出しに。その対応でお昼過ぎまで振り回される。商品まわりを担当しているチームメンバーは、勝手に色番を使い回したメーカーさんの無茶への対応に同じくお昼過ぎまでバタバタしていた。どうも受難の日はまだつづくようだ。

■4月21日

 あいかわらず、チームマネジメントには自信がもてない。今のところ全体の流れが澱んでいないので、悩みも迷いも流れの中に隠されているのだけど、これがいちどでもせき止められて流れが澱むようなことがあると、いろいろ問題点が噴きだすかもしれない。至らない上司像があらわになるかもしれないし、チームメンバーの自主性に任せてきたことのツケがまわるのかもしれない。ネガティブな面が表にでるおそれがある。

 個人的には、メンバーが自主的に本来の業務に専念してもらうために、バックヤードの細々したことや対「会社」の交渉事など面倒なことは引き受けているつもりだ。ただ、それがちゃんと伝え切れていない感はある。こんな言い方は批判を招くかもしれないけれど、個人的にはチームメンバーが口にするほどには、まだ「いっぱいいっぱいだ」ではないと見ている。だからといってけっして「もっと!」と強制するつもりはないけれど。

■4月25日

 お昼頃、にわかに暗くなったかと思ったら雷が鳴り大粒の雨が窓を叩いた。ほどなくあがったもののちょっと驚いた。そのお昼の時間帯、そのあと、明るい午後の陽差しが降り注ぎはじめた時間帯にミーティングがふたつ。本日はコミュニケーションがかならずしもしっかりととれてきたとはいえなかったことをチームのメンバーに素直に詫びた。

 相手先のあることでキチンと決着が付くまでは、たとえ同じチームのメンバーといえどもシェアできなかったというやむを得ない事情もあったのだが、詫びるべきところは詫びるべきと考えてのこと。その上でそれぞれの立場から率直な意見を求めた。ここで出てくる意見は、一見ネガティブであっても違って聞こえる。これをうまく咀嚼すれば落としどころを見つけられるだろうと思った・・・のだが、なかなかそうはうまくいかない。

 リリースというゴールを定めた上でそこに合わせていくというやりかたの是非は問われるかもしれないが、ここが知恵の見せどころでもあり、マンパワーの結集のしどころなのだと考えてしまうのは、旧態依然・古式蒼然としているのかなぁ。

■4月26日

 チームの中でいちばん早く出社し、帰りはいちばん遅い退社というのがほぼ毎日の日課となっている。だから偉いとかよく頑張っていると言うつもりはないし、チームメンバーにもっとガンバレなどと強要するつもりもない。でも、そんな「弱腰の」マネジメントのスタンスがどうもうまくない。って、もう何度も書いていることだけれど。

 きょう午後、テレビショッピングの大手企業の方とブレストをする機会があったのだが、さすがに勢いのある会社らしくことばの端々に「自信」があふれている。会社の方針で連れてこられたものの、わたしの考えと御社の考え方には方向性に違いがあるなんてことを臆せず語れる人もいた。大したものである。

 その「自信」の根拠っていったい何? どこからきているの?って思わないでもないが、人に決して後ろ姿や一歩引いた姿を見せないというのもたいせつなことだよね。その力強さがわたしには欠けているんだなぁ。配慮と遠慮は違うはずなのにね。

 でも、もうだいじょうぶかな。まぁ、やるっきゃないもんね。

■4月28日

 あすからゴールデンウイーク。真ん中の2日間に有給休暇をとる勇気があれば9連休となるわけだが、休み慣れていないわたしにはとてもそんな真似ができない。だいたい、休んだあとを考えると、途中で休日出勤をすることのほうが楽だ。

 サービスレベルを保つ、いや高めるというのはわたしが今担当している事業部のミッションでもある。気持ちが吹っ切れたことで本日も無事乗りきる。いちばんの課題と思っていた板挟みの解消は、チームメンバーたちの理解に支えられなんとかうまくいきそうな予感がしてきた。弱腰といわれても素直でいたことが幸いするのではないかと思う。いや、そう思いたい。
 

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◆生活編

■■4月1日

 4月は名古屋で迎えた。やっぱり東京にくらべて何℃かは低いようだ。つい2,3日前にも雪が舞ったらしい。名古屋の桜はまだまだ満開まで日がかかりそうだ。

 毎年書いていているが、4月1日は父親の命日だ。ことしでもう満14年になるのかな。あの日、雨が降り肌寒い昼下がりに親戚への電話かけていた。「あんた、いい加減にしなさいよ。いくらエイプリルフールでもついていい嘘と悪い嘘があるでしょ」と怒られたのを今でも忘れない。

 そんな祥月命日のけさは、まずお墓参りから。父親は基本的に晴れ男だったのか、告別式の時の春なのにとても澄みきった青空と満開の桜に代表されるように、法事も墓参りも雨に降られたという記憶がほとんどない。けさもスッキリと晴れていた。あさって入社式を控えた長男と、たまたま土曜日にあたったので帰ってこられたわたしも含め、家族が全員そろってのお墓参りとなった。父が墓の中から「みんなでなかよく来いよ」と呼んでくれたのだろうか。でも、こうしてみんなが揃って出かける墓参りもいつまでつづけられるのかなぁ。

 午後いちばんに祥月命日のお経をあげにお寺さんがいらっしゃった。父親の実家のあ
る一宮市のお寺に永代供養をお願いしている。このお寺、和尚さんがなくなってこのかたお庫裏さんがお経をあげにきてくださったのだが、ようやくことしから若い和尚さんが後を引き受けてくださることになった。きょうがうちにとっては「デビュー」だ。まだ若いせいなのか、テンポは速いし、最後の決めも今ひとつだ。これから錬れていくというところなのかな。

 そのあとは、町内会の会計さんとしての最後のご奉公として、決算報告をつくり会計監査さんのところに出向く。これも今回この時期の帰省のひとつの理由。これで2年間のお務めも無事完了、肩の荷がひとつ下りたというところ。

 あしたは10時すぎにはうちを出て東京に戻る予定。入社式とその後の研修のために寮に入る長男と一緒に名古屋を発つ。わたしは、きのう原宿駅で東京〜名古屋の「往復」キップを買ってきた。今、わたしの生活の軸足は東京にある。これまでずっと自宅から通い続けた長男は、あした「片道」キップで名古屋を離れる。春は旅立ちの季節でもある。

■4月2日

 昨夜大きな音をたてて降っていた雨は朝にはいったん止んでいた。どんよりと曇っているが、妻と大江川緑地まで「名古屋の桜」を見にいく。緑地の桜はまだ3分咲きというところか。花びらの白さよりも雨に濡れた枝や幹の色のほうが目立っている。ユキヤナギや花壇に植えられたパンジーはキレイだけど、桜はまだまだだ。やっぱり東京より何日も遅いようだ。

 朝10時、長男と一緒にうちを出る。長男はスーツに身を包んでいる、かたやわたしはスタジャンの軽装。なんだか不思議な取り合わせだ。新幹線の中、べつに訓話をたれるつもりはなかったけれど、何を話しながらいこうかと思っていたが、長男はホームに着くとおもむろに任天堂DSライトを取り出した。そうか、新幹線の移動にはポータブルゲーム機は最適だもんね。

 ゲームを立ち上げれば、何を話しかけても無駄なのは彼にはじまったことではないが、彼の場合はとくにその傾向が強い(!?)。わたしはといえば、このところ読み継いできていた真保裕一の「繋がれた明日」を読み終えてうちに置いてきたので、読む本を用意していなかった。失敗したなぁ・・・ってところ。ゲームに一区切りがついたのは三島あたり。それから30分くらいが「親子の会話」だった。

 厚木の寮へ向かう長男は新横浜で降りた。横浜線への乗換に向かう彼は、車内にいるわたしのほうを見ることもなくまっすぐ前を向いて歩いていった。あたらしい生活のはじまりへ向けて決意新たにといえば聞こえがいいが、こちらを見なかったのはただそういう気が効かないマイペースな奴というだけだ。

 わたしはそのまま東京へ。山手線で池袋を経由して帰ってきた。曇り空だったが傘を持たずに帰ってきたので雨は落ちてこなかったのは助かった。帰りの荷物は行きよりもかなり重かった。その中身は食材が中心。こちらでも買えるものも多いのだけど、「赤だし味噌」や「献立いろいろ味噌」はこちらではスーパーで見かけない。ということで、あらかじめ買い置きしてもらっておいたもの。

 妻と話したのだが、こちらでは「マヨネーズ」があまり特売に出ない。でたとしても名古屋ほど安くない。名古屋人はマヨラーが多いからなのか、こちらではとくに安くしなくても売れているということなのだろうか・・・。特売のチラシにレギュラーで掲載される品物が名古屋と東京では微妙に違うような気がする。

■4月8日

 晴れていたかと思うと突然にわか雨が降ったりした土曜日。朝は7時、8時と目が覚めたが、結局9時まで眠る。休日出勤も考えたけれど、きょうは取り止め。午前中に掃除、午後はドラッグストアとディスカウントストアで買い出しをする。

 夜7時に長男が泊まりにやってきた。研修のために閉じこめられている(?)寮では金曜日の夜と土日は食事が出ないらしい。こちらに用事もあったのでということだけど、まさか入寮から1週間程度のことで里心がついたわけじゃないだろうねぇ・・・。

 それでも、こういうシチュエーションとなればうれしくない親はいないよなってところ。ごはんを炊き、最寄り駅に迎えに行く前にお味噌汁を作っておいた。そして、トラウトサーモンをバターで焼き、ブロッコリとニンジンをゆでた。ふだんひとりではなかなか買えないイチゴを買ってきたりした。親バカである。

 聴けば、今は一般的な社会人の常識を学んでいるところらしい。なんでも、朝いちばんには社是を全員で唱和するらしい。今もそういう会社って多いのかなぁ。酒を飲む奴じゃないけれど、今夜はちょっと酌み交わしてみるのもわるくないかな。

■4月9日

 泊まりにきた長男とは2時すぎまで話していた。こちらは焼酎のグラスを空けていたので、ちょっとくどかったかもしれない。けさはふたりして10時すぎまで眠る。軽くトーストで遅い朝食。暖かい春の陽差しの中をお昼過ぎに池袋へ。今、池袋で一番人気といわれているラーメン店「屯ちん」へ。並んでラーメンを食べるのって久しぶり。その間もいろいろ話す。長男とこんなに長くいろいろ話したというのも久しぶりだ。

 屯ちんは「東京とんこつラーメン」というふれこみだが、くどくなくスープは全部飲める感じだ。ただ、あとからかなりのどは渇いた。東京にきてからはじめてラーメンらしいラーメンを食べた。

 その後、100円ショップ、ジュンク堂書店と一緒に回ったあと、次はゴールデンウイークに名古屋でかな・・・と言葉を交わし、4時近くにJRに乗っていく長男を見送る。

 夕方、城北中央公園まで走っていく。風にハラハラと舞う桜が青空に映えてキレイだ。ことしの東京の桜はもう終わりだなぁ・・・。

■4月13日

 51歳の誕生日。昨年50歳になったときも自覚はなかったけれど、ことしもじぶんが50代だっていう思いはさらさら無い。(って、自慢してちゃいけないのかな)

 日付が変わったと時を同じくして届いた妻からのメールにはじまって、携帯には何通もタンオメメールが届いた。職場でもグループの中で最年少のIさんが気づいてくれて「オメデトウ」って言ってくれた。個人情報保護法の関係もあるのか、PCへのメールは以前よりグンと減った感じだ。メンバーになっているので弊社からは届いた。

 本日の退社は21時50分。霧に包まれてはいたけれど雨は落ちていなかった乃木坂だったが、山手線が新宿を過ぎる頃から雨になった。氷川台の出口付近は迎えを待つ人や、雨脚がおさまるのを待つ人でちょっと混みあっている。待っていたって誰も傘を届けてくれないし、迎えに車を出してくれる人もないわけなので、雨の中を近くのスーパーまで駆けていく。

 ダイコンが安かった。冷食が半額だったのでお弁当のおかずになりそうなものを買っておく。そして、お誕生日なのでお寿司にしようと思いたつ。さほどおなかがすいているというほどでもなかったので、いくらとカニのミニちらし丼を買う。こちらにきて出来合いのごはんを買ったのははじめてかも。それにバースデーケーキのない誕生日もはじめてかもしれないなぁ・・・。

 買い物を終え外に出ると、雨は小降りになっていた。うちに向かう角を曲がる頃には雨はほとんど止んだ。「雨降って地固まる」なんてことばを思い浮かべる。おぢさんだって一歩一歩前進をつづけていくのだ!

■4月15日

 目が覚めたら10時半だった。王様のブランチを見ながらこちらもパスタでブランチ。じつはお米がないのだ。久しぶりに青空がひろがっているのに、何故か活動的な気分になれずだらだらと午後を過ごす。いやいや、こんなことをしていちゃもったいないと走りに出たのが16時すぎ。きょうは携帯電話でFMを聴きながら13.8km。風が冷たいせいもあってか光が丘公園も人が少なかった。

 午後、郵便受けに新製品のおためしセットが届いていた。今、テレビでみのもんたがCMしている大豆の粉にフルーツを加えて焼き上げたバータイプの栄養食品が4本入っていた。500円にも満たないものではあるけれど、なんかうれしい。

 夜21時すぎ、お米を買いにスーパーへ。ついでに「ヤマザキ春のパンまつり」の白いお皿をもらってきた。食パンに2.5点のシールがついている。合計25点集めると1枚もらえる仕組み。小市民であるわたしはビールもそうだけど、結構チマチマとシールを集めるのが大好きだったりする。2日遅れでじぶんへの誕生日プレゼントだと言ったら「小市民的」すぎるかな。

■4月18日

 きょうは初夏のような陽気になりそうと予報が伝えている。そのきょうは夕方某大手メーカーさんへの往訪の予定があるので、ちょっとカッチリした格好でと考える。白いシャツに先日買ったコットンジャケットを羽織って出かける。

 気合いが入っていたわけでもないが、いつもより3分早い地下鉄に乗れる。ただ、ギリギリからだをすべり込ませて乗り込んだので、目の前でドアが閉まる。こちら側のドアはずっと開かないから気が楽だ。その時、ふっと気がつく。このジャケットってセンターベンツだったっけ? だとしたら、綴じ糸があるかもなぁ。混みあう電車の中で探ってみるとやっぱり・・・。プライスカードなどは気をつけて外したけれどなぁ。

 山手線の電車の中、指で何とか切ろうとするが、これって結構しっかりしてるんだよね。いったんはあきらめたが、2度目の乗換駅地下鉄明治神宮前駅で電車を待つとき、うしろを通る人が気になり再トライ。こんどはうまく切れた。べつに大したことじゃないといえばそうだけど、ちょっとホッとする。

■ 4月22日

朝6時、右脚ふくらはぎの強烈なこむらがえりで目が覚める。しばらく伸ばすことも曲げることもできなかった。ここまで強烈なのに襲われたのはひさしぶり。しばらくじっとしていておさまったところでおそるおそる立ち上がってトイレへ。きょうはちょっと長く走ろうと思っているのに・・・と恨めしく思うがとりあえずおさまったので二度寝。

 こむらがえりのふくらはぎはちょっと心配だけど、お天気に恵まれたので予定どおり10時うちを出る。ゴールは秩父市の羊山公園の芝桜植生地と決めていた。走り出すのをどこからにしようかと迷っていたのだけど、西武線の飯能からではほぼフルマラソンの距離になるし峠越えもありそうだ。今の走力ではこれは無理そうだということで、東武線の寄居から国道140号線を走ることにした。これならほぼ並行して秩父鉄道が走っているので途中リタイアにも安心だ。距離にして26〜7kmというところ。

 歩道がないところでは、横を走り抜けるトラックに煽られたりするが、国道140号線は比較的歩道が整備されていてまぁまぁ走りやすかった。ただ、思ったほど長瀞(荒川)の川面が見られなかった。国道沿いだから飲食店は結構あるが、何でもあります的なお店が多いのに驚く。和食処という看板に「そば・うどん・とんかつ・まぐろ」とある。そこまでは許されるが「おいしいケーキお持ち帰りできます」とも書いてある。頭に「?」が浮かぶ。

 名古屋だったら土曜日の午後には満車になっていても不思議でないパチンコやパチスロのお店の駐車場がどこもかなり空きがあるのに驚く。もともと名古屋とくらべて軒数が少ないような気がするのになぁ。それにつぶれてしまっているお店も2〜3軒あった。そうそう、こんなところでイタリア料理専門店はむつかしいだろうなぁと思って看板を見ていたが、あらやっぱりという感じでこちらもつぶれていた。

 午後の陽差しをあびながらの走りは、半分を超えて最初の休憩と給水をしたあたりから脚にくる。走り込んでいないからしかたないなぁ。2度目の給水は予定よりも少し早く摂る。陽差しに堪えられなくなったということもあるが、気持ちに脚がついていかなくなってきていた。ゴールの羊山公園目前の「道の駅ちちぶ」でトイレ休憩。というか、あとわずかとはわかっていたけれど、一気に駆け上がる元気が切れていた。トイレの鏡で顔を見ると真っ赤だった。洗面で顔を洗って気持ちを持ち直して、渋滞の車の列を尻目に最後の坂を駆け上がる。いやぁ、疲れたぁ。今の走力はハーフマラソンクラスなんだなぁと痛感。もっともリュックを背負って走るにはもっと時間の余裕をもって走ればよいのに、ひとりで走ると入りのペースが速いんだよなぁ。

 肝心の芝桜は電車の中吊り広告そのままの美しさだったけれど、そこに人の姿がいっぱいというところが広告とは違う。明け方、人のいないときに訪れたら感動ものかもしれない。でも、走っていった甲斐はあった。疲れはあるけれど気持ちは満腹の一日だった。

■4月30日

 昨夜はいただいたチケットで長男と東京ドームの巨人vs中日戦を見た。中日の勝利にアンチ巨人のわたしとしては満足。長男はそのままわたしのところに泊まる。夕食に牛丼を作って食べさせる。

 長男がわたしの部屋に泊まるのはこれが二回目。今回も彼がベッド、わたしは寝袋でという構図。なんて「いい親」なんだろう・・・というより「親バカ」なんだろう。就職前はほとんど昼夜逆転の生活をしていた彼が、研修の規則正しい寮生活で早寝早起きの生活パターンになっているのが感慨深い。(大げさ)

 昨夜も0時半過ぎのスポーツニュースを見ているうちに、そろそろ寝ようと言いだした。「へぇ?」って感じ。今はわたしのほうが夜更かしの生活をしているみたいだなぁ。というわけで1時前には部屋の電気を消す。

 わたしが起きだして寝袋をベランダに干しにでたりしていても、寝相のわるいまま羽毛ふとんにくるまっている。寮では滅多に出ないから楽しみといっていた(なんと小さな楽しみだこと)トーストを焼いたところで起こしてやる。「枕がいいせいかとってもよく眠れた」のだそうだ。

 きょう名古屋に帰る9連休の彼と東京駅まで出かける。きょうのところは指定席も名古屋までは満席ではないようだ。わたしの帰名は2日の仕事を終えた最終ひとつ前の「ひかり」の予定。もちろん指定席は確保してある。

 用事を済ませて戻ったあとは、ふとんを干したり、洗濯物を干したりと、明るい初夏を思わせる陽差しの恩恵を受ける。きのうできなかった部屋の掃除もする。しばらく着る予定のないスーツと、冬のセーターとカーディガンをクリーニング店に持ち込む。うちからいちばん近いこの取次店はきょうまで30%OFF。

 15時40分。ディープインパクトの超絶な走りに感歎したあと、走りに出る。きのう19km走っているので、本日はクールダウンの意味でゆっくりと9.2km。新緑と花がキレイな城北中央公園を走る。本日は今シーズンはじめて半袖のランシャツを着用。腕にあたる風が心地よい。

 というわけで、気持ちのよい陽気を満喫。きょうも仕事のことからはちょっと距離を置いた一日だった。あすから5月、連休前の2日間はちょっと効率よく仕事をこなさないといけないなぁ。



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